ECサイトや通販事業を運営していると、毎日のように使用するダンボール。

「商品が入ればどの箱でもいい」と考えてしまいがちですが、ダンボールのサイズ選びは、送料や梱包資材費、作業時間に大きく影響します。

商品に対して箱が大きすぎると、送料が上がるだけでなく、隙間を埋めるための緩衝材も多く必要になります。一方で、小さすぎる箱を選ぶと商品を十分に保護できず、破損や返品につながる可能性があります。

そこで今回は、EC事業者が知っておきたいダンボールサイズの選び方と、梱包コストを下げるための5つのポイントを解説します。


ダンボールのサイズは、単に商品を入れるためだけに決めるものではありません。

適切なサイズを選ぶことで、次のような効果が期待できます。

・送料を抑えられる
・緩衝材の使用量を減らせる
・梱包作業を効率化できる
・保管スペースを削減できる
・配送中の商品破損を防ぎやすくなる
・購入者に丁寧な印象を与えられる

特にEC事業では、1件あたりでは小さな差でも、出荷件数が増えるほど大きなコスト差になります。

たとえば、1件あたりの梱包コストを20円削減できた場合、月に1,000件発送すると、1か月で2万円の削減につながります。

ダンボールの見直しは、すぐに取り組みやすく、効果も確認しやすい物流改善のひとつです。


ダンボールを選ぶ前に、まず知っておきたいのが「内寸」と「外寸」の違いです。

内寸とは

内寸とは、ダンボールの内側のサイズです。

実際に商品を入れられるスペースを示すため、商品が箱に入るかどうかを確認するときは内寸を見ます。

一般的には、次の順番で表記されます。

長さ×幅×深さ

商品サイズだけでなく、緩衝材や仕切りを入れるスペースも含めて考えることが大切です。

外寸とは

外寸とは、ダンボールの外側のサイズです。

宅配便のサイズ区分は、基本的に梱包後の外寸を基準として判断されます。

ダンボールの厚みや組み立て方によっては、内寸よりも外寸が数ミリから数センチ大きくなることがあります。

そのため、送料を確認するときは内寸ではなく、梱包後の外寸を確認しましょう。


ここからは、商品に合ったダンボールを選ぶための5つのポイントを紹介します。


最初に、梱包する商品のサイズを測ります。

測る場所は、商品の長さ・幅・高さの3辺です。

複数の商品をまとめて発送する場合は、実際に商品を並べた状態で、必要なスペースを確認しましょう。

商品そのものの大きさだけで箱を選ぶと、緩衝材や同梱物が入らなくなる場合があります。

次のようなものを入れる場合は、その分のスペースも考慮します。

・エアキャップ
・紙製緩衝材
・仕切り
・納品書
・パンフレット
・チラシ
・サンクスカード
・取扱説明書

箱の内側に余裕を持たせすぎる必要はありませんが、商品と箱が密着しすぎると、外部からの衝撃が直接商品に伝わりやすくなります。

商品を保護できる程度の余白を確保したうえで、できるだけコンパクトなサイズを選びましょう。


ダンボールを選ぶときは、箱を決めてから配送方法を考えるのではなく、利用する配送方法を先に確認することが大切です。

宅配便では、梱包後の縦・横・高さの合計によって、60サイズ、80サイズ、100サイズなどに区分されることが一般的です。

たとえば、3辺の合計が61cmになったことで、60サイズではなく80サイズとして扱われるケースもあります。

わずかなサイズ差でも送料が変わることがあるため、箱を選ぶときは配送サイズの上限ぎりぎりではなく、梱包後の状態まで想定して確認しましょう。

また、小さくて薄い商品であれば、宅配便ではなく、ゆうパケットやクリックポストなどのメール便系サービスを利用できる可能性があります。

メール便を利用できれば送料を抑えやすくなりますが、厚さや重量、対応サイズなどの条件があります。

配送サービスの規格や料金は変更されることがあるため、発送前に各配送会社の最新情報を確認してください。


商品に対して大きすぎるダンボールを使うと、箱の中に広い空間ができます。

その隙間を埋めるために緩衝材を多く使用すると、次のようなコストが発生します。

・緩衝材の購入費
・梱包にかかる作業時間
・資材を保管するスペース
・廃棄する購入者の負担

特に、軽くて小さな商品を大きな箱に入れると、配送中に箱の中で商品が動きやすくなります。

大きな箱を使えば安全とは限りません。適切な大きさの箱を使い、必要最低限の緩衝材で商品を固定することが重要です。

ただし、割れ物や精密機器など、衝撃に弱い商品は十分な保護が必要です。

商品の特性に合わせて、箱の大きさと緩衝材の量を調整しましょう。


ダンボールは、サイズだけでなく強度も重要です。

同じ大きさの箱でも、ダンボールの材質や厚み、構造によって強度が異なります。

軽い衣類や雑貨であれば薄めのダンボールでも対応しやすいですが、重い商品や割れ物を発送する場合は、強度の高いダンボールが必要です。

箱の強度が不足すると、次のようなトラブルにつながる可能性があります。

・底が抜ける
・箱がつぶれる
・角が変形する
・商品が破損する
・積み重ねたときに箱が崩れる

また、箱が大きすぎると、その分だけ面がたわみやすくなることもあります。

商品の重量や形状、輸送距離、積み重ねの有無なども考慮し、適切な強度のダンボールを選びましょう。


出荷件数の多い商品には、専用サイズのダンボールを用意する方法もあります。

複数の商品に対応できるよう、大きめの箱を1種類だけ使用しているEC事業者も少なくありません。

しかし、商品に対して箱が大きすぎる状態が続くと、送料や緩衝材のコストが積み重なります。

よく売れる商品については、次のように発送パターンを分けてみましょう。

・単品購入用
・2個セット用
・まとめ買い用
・ギフト用
・メール便用
・宅配便用

出荷パターンごとに適切な箱を用意すると、梱包作業も標準化しやすくなります。

どのスタッフが作業しても同じ資材を選びやすくなるため、サイズ選びの迷いや梱包ミスの削減にもつながります。

既製サイズでは商品に合わない場合は、オーダーメイドダンボールを検討するのもひとつの方法です。


宅配便では、梱包後のダンボールの3辺合計によってサイズが決まることが一般的です。

たとえば、次のような箱の場合を考えてみましょう。

長さ30cm×幅20cm×高さ10cm

3辺の合計は60cmです。

この場合、外寸や梱包後の膨らみが規定内に収まれば、60サイズとして発送できる可能性があります。

ただし、ダンボールの商品ページに記載されているサイズが内寸の場合、実際の外寸はそれより大きくなります。

宅配便サイズを計算するときは、必ず外寸を確認してください。

また、重量が配送会社の上限を超えると、3辺合計が規定内でも別のサイズ区分や配送方法になる場合があります。

サイズだけでなく、重量の条件もあわせて確認しましょう。


小型の商品を発送する場合は、メール便対応ダンボールを利用することで、送料を抑えられる可能性があります。

メール便対応箱を選ぶときは、特に厚さを確認しましょう。

商品を入れる前は規定内でも、梱包後に中央部分が膨らみ、サイズオーバーになることがあります。

次の点を確認することが大切です。

・組み立て後の外寸
・商品を入れたあとの厚さ
・テープを貼った部分の膨らみ
・緩衝材を含めた重量
・配送サービスごとのサイズ規定

衣類や布製品は押し込めば入ることがありますが、配送中に膨らむ可能性があります。

無理に詰め込まず、余裕を持って封ができる箱を選びましょう。


衣類は比較的壊れにくいため、商品をたたんだ状態に近いサイズの箱を選びやすい商品です。

薄手の商品であればメール便対応箱、厚手の衣類や複数点の発送であれば宅配便用ダンボールが適しています。

防水対策として、商品をOPP袋などに入れてから梱包すると安心です。

本や冊子は、箱の中で動くと角が折れたり、表紙が傷ついたりすることがあります。

商品に近いサイズの箱を選び、必要に応じて薄い緩衝材を使用しましょう。

重くなりやすいため、箱の底面の強度も確認してください。

化粧品やアクセサリーなどの小物は、メール便対応箱を利用できる場合があります。

ただし、ガラス容器や割れやすい商品は、厚さだけでなく衝撃対策が必要です。

商品を個別に保護し、箱の中で動かないように固定しましょう。

食器やガラス製品は、商品より一回り大きな箱を選び、周囲に十分な緩衝材を入れます。

商品同士が接触しないように個別包装し、底面や側面にも緩衝材を配置しましょう。

大きすぎる箱は中で商品が動きやすくなるため、必要以上に余裕のある箱は避けます。

複数商品を発送する場合は、実際の梱包状態を再現してから箱を選びましょう。

縦に重ねるのか、横に並べるのかによって必要なサイズが変わります。

売れ筋の組み合わせが決まっている場合は、セット専用箱を用意すると梱包時間を短縮できます。


ダンボールが大きすぎると、箱代以外にもさまざまなコストが増えます。

送料が高くなる

3辺合計が配送サイズの境界を超えると、送料区分が上がる可能性があります。

商品自体は小さくても、箱が大きいことで余分な送料を支払うことになります。

緩衝材が増える

箱の中の隙間が大きいほど、商品を固定するための緩衝材が必要になります。

梱包資材費だけでなく、隙間を埋める作業時間も増えます。

保管場所を取る

大きなダンボールは、未使用の状態でも保管スペースを圧迫します。

複数サイズを在庫している場合は、使用頻度の低い箱が場所を取っていないか確認しましょう。

梱包作業に時間がかかる

箱が大きいと、緩衝材の量を調整したり、商品を固定したりする作業が増えます。

出荷件数が多い事業者ほど、1件あたり数十秒の差が大きな人件費の差になります。

購入者の印象を損なう可能性がある

小さな商品が大きな箱で届くと、購入者から「過剰包装」と受け取られることがあります。

商品に合った梱包は、環境への配慮やブランドイメージの向上にもつながります。


現在使用しているダンボールについて、次の項目を確認してみましょう。

□ 商品に対して箱が大きすぎないか
□ 緩衝材を入れすぎていないか
□ あと数センチ小さければ送料区分を下げられないか
□ メール便に切り替えられる商品はないか
□ 売れ筋商品に専用箱を用意できないか
□ 使用頻度の低い箱を在庫しすぎていないか
□ 商品の重さに合った強度があるか
□ 梱包するスタッフが箱選びに迷っていないか
□ 箱の組み立てや封かんに時間がかかっていないか
□ 破損や返品が多い商品はないか

ひとつでも当てはまる場合は、ダンボールサイズや梱包方法を見直す余地があります。


ダンボールを選ぶ方法には、既製サイズを購入する方法と、商品に合わせてオーダーメイドする方法があります。

既製品が向いているケース

・出荷数が少ない
・発送する商品の種類が多い
・一般的な60サイズや80サイズで対応できる
・すぐにダンボールが必要
・できるだけ少ない枚数から購入したい

既製品は入手しやすく、必要なときに購入しやすい点がメリットです。

オーダーメイドが向いているケース

・同じ商品を継続して発送している
・既製品では隙間が大きい
・送料区分を下げたい
・緩衝材の使用量を減らしたい
・梱包作業を標準化したい
・印刷を入れてブランドイメージを高めたい

オーダーメイドダンボールは、1枚あたりの価格だけを見ると高く感じる場合があります。

しかし、送料、緩衝材、作業時間、破損率まで含めて考えると、トータルコストを抑えられる可能性があります。

特に出荷数の多い商品は、専用サイズを作る効果を確認しやすいでしょう。


ダンボールを選ぶときは、箱の購入価格だけで判断しないことが大切です。

梱包コストには、次のような費用が含まれます。

・ダンボール代
・緩衝材代
・テープなどの副資材費
・送料
・梱包作業の人件費
・保管スペース
・破損や返品への対応費

箱代が少し安くても、サイズが大きいために送料や緩衝材が増えてしまえば、結果的にコストが高くなる可能性があります。

反対に、商品に合った箱を使用することで、箱代以外の費用を削減できる場合もあります。

ダンボールを見直すときは、1件あたりの梱包にかかる総額を計算して比較しましょう。


ダンボールサイズを選ぶときは、商品が入るかどうかだけでなく、送料、緩衝材、強度、作業時間まで考えることが大切です。

梱包コストを下げるためのポイントは、次の5つです。

1.商品のサイズを正確に測る
2.配送方法と送料区分を先に確認する
3.緩衝材を入れすぎないサイズを選ぶ
4.商品の重さと壊れやすさに合った強度を選ぶ
5.よく発送する商品には専用サイズを用意する

商品に合ったダンボールを選べば、送料や資材費の削減だけでなく、梱包作業の効率化や配送品質の向上にもつながります。

現在使用している箱が商品に対して大きすぎないか、余分な緩衝材を使っていないか、一度確認してみましょう。

ロジマートでは、メール便対応箱から60サイズ、80サイズ、大型ダンボールまで、さまざまな梱包資材を取り扱っています。

商品に合う既製サイズが見つからない場合は、オーダーメイドダンボールも選択肢のひとつです。発送商品や出荷量に合ったダンボールを選び、梱包コストの見直しに役立ててください。